世界最古の企業は、建築業界の方ならご存知かも知れませんが、西暦578年に創業された大阪の金剛組と言われています。四天王寺建立での宮大工の匠の伝統技術は、最近では、日光東照宮の修復工事にも活かされていました。現代まで1000年以上事業を承継し続いている企業は、世界で12社しか存在しないなかで、日本には、587年創業の生花教授の池坊華道会、705年創業の旅館の慶雲館など、なんと9社もあります。また数年前までは、世界で社歴が200年以上の会社が、約5600社あり、うち日本では、約3100社。100年以上続いている会社が、約20000社もあるというデータもありました。世界でいちばん男女の平均寿命が長い国は、日本ですが企業寿命の長い国も我が国なんです。
巷では、企業の寿命は30年といわれています。最新の東京商工リサーチのデータによれば、2013年から2019年までに休廃業・解散、倒産の会社は毎年約5万社で、2020年の休廃業・解散49,698社、倒産7,773社で、業種にもよりますが、平均寿命は20年でした。日本は、先のギネスデータでは、世界でいちばん事業承継の成功実績がある国です。明治維新後の近代化から、西洋化である民法制定、富国強兵政策、大東亜戦争敗戦後の新憲法、民法改正、経済復興で成し遂げた150年を経たデータでしたが、100年に一度のパンデミックのコロナ災禍支援後で政策融資が止まり、融資返済が始まったらどうなんでしょう
現代日本には、創廃業をくり返す約300万社の企業があり、その内の日本経済を支える99.7%が中小企業です。しかもほとんどがオーナー同族会社です。
世界的に観て大富豪や老舗企業には家族、同族者が会社を経営する一族会社が圧倒的に多いようです。事業主には、家族への財産の相続と同時に経営権の承継の問題があります。3代で会社がなくなるのは、遺産相続の高率の相続税で財産が減るためや相続法での争族になるから、企業寿命も30年になる分けではありません。
私自身は、事業継続に失敗して創業20年で経営した、2店舗、従業員約10名の自動車販売会社を潰してしまいました。事業資金、自然災害、健康状況、景気の波、経済環境、産業構造の変化に対応できる企業体力がなければ事業の発展、30年の維持継続すらも出来ません。失業後は、生命保険のコンサルティング営業で約20年間、20数社の潰れない会社「ゴーイングゴーサン(継続企業)」を実現したい中小企業の社長の想いと悩みに寄り添い、企業体力作りに協力した多くの社長は、会社経営に、自分の個人資産や人生を賭けていました。
中小企業経営者のライフプランをテーマにしたセミナー講師では、中小企業の寿命とは、創業から繁盛期を経て衰退期に向かうという事業サイクルが約30年周期あり、その間の事業を継続し、事業承継に成功できれば、中小企業社長のライフプラン100年と同じく企業の寿命が100年になるというお話を行ってきました。
中小企業の寿命は、事業を引き継ぐ経営後継者問題と会社資産である支配株の承継問題が肝です。
同時に社長個人の相続資産問題では、遺留分請求の問題解決が、大きな悩みとなります。
会社と個人が一体である中小企業経営者には、体験上もその悩みに共感出来て、寄り添い、伴走して、支援する相続・事業承継ナビゲーターの役割が企業の寿命を左右させるのではないでしょうか
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